アポロ11号の月面着陸は、男のロマンではなく、人類のロマンです。

先日ロケットの映像を子供と見る機会があり、

ロケットについてまだ未知な娘と一緒に、

図書館で絵本を借りてみました。

 

どちらも「アポロ11号」にまつわるお話です。 

 

「月へ」

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「月とアポロとマーガレット」

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絵が気に入って、

たまたま借りた2冊なんですが、

2冊読んでみて、思うところがあったので、

ご紹介したいと思いました。

 

まずは「月へ」。

 

表紙をみてもわかるように、

絵がとても綺麗です。

この星空の美しさ。

 

絵がきめ細やかに描き込まれているのですが、

優しいタッチなので、とても見やすいです。

5歳の子供もじっと見入っていました。

 

アポロ11号が発射する前の準備から

帰還するまでの様子が、

細かくきちんと語られているのですが、

これもまた優しい言葉で綴られているので、

とてもわかりやすいです。

 

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表紙の見返しに、

ロケットについて解説がのっています。

本文中に組み込まれていないことで、

子供が話に入り込みやすいです。

でも本文の前に、この絵を目にすることで、

ロケットの仕組みがなんとなく頭に残るという。

 

3人の宇宙飛行士がメインで、

話が進んでいきます。

優しく、静かに。

そして月に到着した時には、

宇宙の美しさ、地球のあざやかさに、

じわっと感動します。

 

そして、

それをテレビの前で見守る人達の絵から、

アポロ11号の月への着陸において、

おそらく世界中の人々がこんな様子だったのだろうということが、確実に伝わってきました。

 

また、宇宙船の中での飛行士達の様子は、

とても興味深いものでした。

イラストのセンスが、とても良いです。

 

「ロケット」「宇宙」に、

まだあまり馴染みのなかった子供に、

十分な興味と知識を与えてくれました。

 

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次に「月とアポロとマーガレット」です。

こちらは絵柄が可愛くて選んだのですが、

やはり娘は、まずこちらにとびつきました。

 

このマーガレット・ハミルトンは、

コンピューター技師としてNASAで働き、

アポロ計画における「ソフトウェア・プログラミング」の責任者だった女性です。

実はアポロ11号の月着陸は、

マーガレットなしでは成功しなかったと、

言われています。

 

マーガレットの幼少期は

どんな女の子だったのか。

ここから話が始まります。

 

「なんで、女の子は野球をしないの?」

「なんでお医者さんになる女の子が少ないの?」

「なりたいものになれる女の子は、

どうして少ないの?」

マーガレットは考えました。

 

学校で、どんな科目もちゃんと勉強しようっと。

 

 

コレ、子供に読んであげたくて 笑

 

我が子は、ちょっと前まで

「☆☆(娘)は小学校に行かないよ!」

と、何故か断言してたんです。

小学校入学まで、まだ1年以上あるのに 笑

 

そのうち

「大きくなったら、やりたいお仕事」について、

なんとなく話すようになった頃、

「そのお仕事をするには、学校でお勉強をしないとできないと思うよ」と説明すると、

「じゃあ、学校に行く」

と、なったんですが。

 

「学校に行く、行かない」よりも。

どうして勉強するのか。

義務教育なのは勿論ですが、

子供なりに理解や目標を持てたらいいな、

と思います。

 

この絵本でのマーガレットの姿は、

とてもシンプル。

疑問に思ったことについて、

よく考え、勉強して、答えを見つける。

 

哲学者のお父さんから聞いた

「宇宙」についての話と、

大好きな算数が、

マーガレットをアポロ11号に結びつけていったのでしょう。

 

のちにマーガレットは、

NASAアポロ計画「ソフトウェア・プログラミング」の責任者となります。

 

そして、アポロ11号が月に降下を始めたとき、

コンピューターが危機的状況になるのですが、

マーガレットの開発したソフトウェアのおかげで解決、無事月着陸となるのです。

その様子は、読んでもらえればわかりますが、

「マーガレット、すごい!」

この一言に尽きます。

 

 

で、「あれ?」と思いました。

 

「月へ」では、

マーガレットの事は一切描かれてないんです。

着陸時にコンピューターのトラブルがあったような事は、描かれているのですが。

まあそれは、理解できます。

ストーリーが逸れてしまうから。

ただ、次の文章が妙に引っかかりました。

 

イーグルを月に着陸させようとする、男たち。

だれもいったことのない場所にむかう、

男たち。

 

これは、

イーグルを月に着陸させる

⇒飛行管制センター

 

月に向かう

⇒飛行士

 

を表しているのですが。

 

「男」という表記、

今時、なんだかなーと思ってしまいました 笑。

 

ストーリー全体として、

男のロマン」的な印象はなかったので、

この部分だけ違和感を感じました。

 

実際、

飛行管制センターにはマーガレットもいて、

月面着陸を成功に導いているんですから。

 

とまあ、2冊読んでみて、

1つの出来事のいろんな側面を見ることが

できたのでした。

娘も、なんとなく理解できたかな?

 

事実、その頃の宇宙飛行士は、

軍隊のパイロット出身の人が多かったらしく、

自分の手で操縦することを誇りとし

(それこそ男のロマンって感じでしょうか)、

マーガレット達が開発したオートパイロットを毛嫌いする人がほとんどだったようです。

 

そんな時代の中でのマーガレットの努力と功績は、本当に素晴らしいことだと思います。

 

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背表紙の見開きにマーガレットの写真が!

「絵と同じ〜!」

と感激する娘と私 笑

 

「月とアポロとマーガレット」の訳者の

鳥飼玖美子さんは、アポロ11号着陸の衛生中継を同時通訳していたとのこと。

あとがきに書かれていたことが、

とても素敵でした。

 

女の子でも男の子でも、子供は大きな可能性を秘めています。一人ひとり違うけれど、どんな子であっても、自分の良さを見つけてほしい。

そして、それぞれが持って生まれた力をのびのびと発揮できるような社会であって欲しい、

と心から願っています。

 


 

 

「男」表記には引っかかったものの(笑)、

「月へ」は宇宙への興味がある子供に、

とてもおすすめな絵本です。 

もちろん大人にも読み応えがあると思います。

 

「月とアポロとマーガレット」は、

学びの原点を教えてくれる絵本です。

シンプルなストーリーなんですが、

何度も読みたくなります。

 

どちらも「子供とまた一緒に読みたいな」と、手元に置いておきたくなる絵本です。