出産前後に気分を楽にする、育児書ではない2冊

「妊娠中に何を読みますか?」

 

 

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まず読むのはこちらでしょうか?

 

 

もちろん、私も読みました。

 

私の場合、予期せぬ自然妊娠だった為、「妊娠出産」については、今まであまり考えてなく、本当に未知の世界でした。

 

だから、「子供が産まれる」「子供と暮らす」「子供を育てる」という事が、

なんとも想像できませんでした。

 

そんな私に、わかりやすく教授してくれた「初めてのたまごクラブ」。

 

これ一冊で、妊娠、出産に必要な基本的なことは、十分わかると思います。

 

ネットでも調べられますしね。

 

でも、ほどほどがいいかな、と思いました。

キラキラした情報に、翻弄されがちなので。

 

それに疲れてしまうのは、40代だからなのでしょうか?

 

今思うと。

ネットや雑誌に溢れてる情報は、当然のごとく、自分よりも若い女性がターゲットになっているから、疎外感を感じていたのでしょう。

 

妊娠中は、ただでさえ気持ちが不安定になると思いますが、そこに年齢の不安もプラスされ、モヤモヤと過ごしていました。

 

さらに産前産後、仕事をしていた為、

熱心に育児書などを読む時間もとれませんでした。

 

そんな私が、

 

楽しく読めた育児書ではない2冊

 

のうちの、

今回は一冊をご紹介したいと思います。

かなり昔の本になりますが。

 

産前産後の不意に訪れるモヤモヤした時間や、

慌ただしい時間の合間に、

ぜひ読んでいただきたいです。

育児書とは違った角度で、

でも育児に寄り添い、気持ちが楽しくなるんじゃないかと思います。

 

2冊とも、さくらももこさんのエッセイです。

 

さくらももこさんのエッセイは、どれも

割と毒舌なんですが、ちびまる子ちゃんからのイメージや、挿絵の雰囲気で、ほどよく「のほほん」と仕上がっているので、嫌な気持ちになりません。

思わず「よく言ってくれたよ、あんた!」と、まるちゃん口調が出てしまいます。

 

1冊目は、

「そういうふうにできている」

です。

 

さくらももこさんの、妊娠から出産までの日々を綴ったエッセイです。

 

キラキラな綺麗事ではおさまらない、

妊婦の実情がコミカルに描かれています。

 

小難しい事は書いてないので、

サラッと読めます。

 

妊娠がわかるまで。

 

産院選び。

 

ホルモンとの闘い。

 

便秘になった話。

 

出産について相談する為に、

山口百恵さんに初めて電話する話。

 

初めて賀来千香子さんに会った話。

 

帝王切開のついでに、盲腸を切った話。

 

産後、隣室の出産が壮絶だった話。

 

粉瘤との闘い。

 

名付けについて。

 

などなど。

全く飾らない地味な話と、

有名人ならではの話(でもキラキラしていない 笑)、

さらに文学人らしい考察が、

程よく織り交ぜられています。

 

ほぼほぼ笑えるエピソードの中に、人間の本質というか、真理が散りばめられています。

 

 

例えるなら、

のんびり浅瀬で泳いでいたと思ったら、

急に深海に潜っていくような。

 

 

そんな気分になります。

 

 

 

 

子供は私のお腹にいた。

 

…だが、"私のもの"ではない。この子は私ではなく、私とは別の一個体なのだ。これから先、この子は私とは全く別の人生を歩んでゆく。

 

…"家族"という教室に"お腹"という通学路を通って転入生が来たようなものだ。遠い町から転入生してきた彼を、クラスメイトの夫と私は歓迎し、今後仲良くしていこうと思う。彼が知らない事は教えてあげ、いろいろな体験を共にし楽しく過ごすであろう。

 

…親とか子供という呼び方は人間が便宜上関係を示すうえで作ったもので、個体にとっては無関係である。私は"親だから"とあう理由でこの小さな生命に対して特権的な圧力をかけたり不用意な言葉で傷つけたりするような事は決してしたくない。

 

7つ目の「マタニティーブルー」の中の文章です。

 

出産後、さくらももこさんは、子供に対する愛情が湧き出てない自分に対して、改めて真剣に考え、分析しています。

 

出産前の私は、実に興味深く読みました。

 

「私は、お腹の中の子と、どんな関係を築くのかな。どんな関係を築けるのかな。」

と、お腹の中の子に思いを馳せました。

 

 

一緒に過ごして。

一緒に色々なことを経験して。

子供よりも「ちょっと」知ってる事は

教えて、

一緒に成長していけたら。

 

 

そんな気持ちを抱かせてもらった、

一冊でした。

 

 

実際、子供と生活して約4年。

 

「育てる」なんて、おこがましい。

 

「人生」が初めての子供と、

「母親」が初めての私。

 

子供はどんどん成長して、

私の「母親」としての成長を、

ぐんぐん追い越し、尊敬に値する事も、多々あります。

 

子供に育てられている、と身に沁みています。

 

 

2冊目のオススメは、

また次回に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子供は子供で私ではなく、別の個性と個体を持ち、違う人生を歩んでいくのだという距離は相変わらず気持ちの中にあるし、この気持ちは大切にしたいと思っている。

 

あとがきに書かれていた文章なのですが、常に心に置くようにしている言葉です。

 

子供と暮らしていると、やはり大人の都合で日々動きます。

それは、仕方のない事で、大人には仕事や家事があり、1日1日生活をしていかなきゃならないから。

 

そして、子供にも「生活していく」という事を教えていかなくてはならないのです。人生の先輩として。

 

だから、例えば、まだ遊びたい子供にお風呂を促す時は、

「まだ盛り上がっている最中で、申し訳ないのですが、今ちょうどお風呂の温度が適温で、今入ったら気持ちよくあたたまりますよ。

そして、DVDなど見ずに、布団に入って早く寝たら、明日の朝は気持ちよく目覚めて、保育園でも健やかな1日を過ごせますよ。」

という町田康的な気持ちで、いたいな、と。

子供の気持ちを尊重する気持ちは、

忘れずにいたいと思うのです。

 

そして、2冊目は、

 

さくらももこ